24.そうだ!ボランティアを探そう!

 「そっ!そうだ!!ボランティアを探そう!」

 私は一人大声をあげていました。

 その作業所まで私の事を送迎をしてくれる人を探すことに思いついたのです。とは言え、何をどのようにしたら良いのか。誰に、又、何処に相談をして良いのか、皆目検討もつきませんでした。私は、とりあえず、ポスター、チラシを作りました。そして、色々なところにポスターを貼ってもらえるようお願いしました。チラシも作り配りました。TV局、ラジオ局、新聞社、車椅子の国会議員にも手紙を書きました。

 TV局への手紙の内容はこうです。「必死に藁をもすがる思いで送迎ボランティアを探しています。なんとか私の事を取り上げてもらえないでしょうか」数日すると返事が来ました。「今回、残念ながら取り上げる事は出来ませんでした。ごめんなさい。」

 国会議員も返事をくれました。それは秘書の方からです。「協力するよ。★★★へ行ってごらん。」と一緒に車椅子ごと乗り込み運転する車のカタログが入ってました。しかし、その車椅子の国会議員は車椅子でも指が動き、やはり詳しくは私の障害を知りません。カタログの物は私では操作できない物でした。私は途方に暮れました。

(どうしよう見つからない・・・)

 それでも、私は必死に探しました。社会福祉協議会にも行き、ボランティアを探してもらいました。しかし、一向に見つかりません。

 そんなある時、一人の男性が名乗りをあげてくれたのです。その方は、私の高校の担任の知人の先輩でした。社会科の高校教員です。

「僕が引き受けようか」

 そう言ってくれたのです。

(やったぁ!これで通える!)

 私は心の中で叫びました。やっと、やっと一人だけ見つかったんです。それはたった一人からのスタートでした。※注:ここが絵本「白いうさぎのさとくんの<くまのあきおくん>」です。

 これで無事に通えるようになりました。なので、訓練施設での訓練を3月に終えました。4月からはコンピュータの技術を学びに新たに身障者授産所という所へ通うのです。簡単に言うと職業訓練です。

(よしっ!やったるでぇ。)

 私は不安と新たなる進路に胸躍らせていました。


 授産所へ通い始めてしばらくすると、ある日、私は授産所の職員に呼ばれました。

(なんだろう?)

 私は首を傾げながらある部屋へ通されました。すると、職員はこう切り出しました。

「濱宮さん、あなたに言っておかなければならない事があります。あなたの障害はクラスで一番重い。だから・・」

 職員は続けました。


第24話完